みーちゃんは昨年の春に三鷹市井口でたくさん保護した子猫のうちの一匹でした。
暖かい頃でしたが、子猫はみな酷い風邪をひいていて、寝息もブーブーと大きないびきをかいていたのを覚えています。 抗生物質の注射と飲み薬と、目薬を何本使いきったか分からないという治療の日々でした。 そんななかでもみーちゃんは、はじめから大人しくしていて、ひっそりとこちらを見つめていて控えめな子猫さんでした。
2ヶ月くらいたつうちに風邪も良くなり、皆AIDS白血病検査も陰性と出ていましたので、お見合いをつける事にしたのでした。
ある時に五歳の女の子を連れたご家族がみえて、とにかくこの子に選ばせたいと皆でじっくりとゲージの中を見ておられました。 それでこの大人しいみーちゃんを選んでくれたのでした。 お届けした時にはおばあちゃんも子猫を心待ちにしていて下さり、わぁーと我が家に猫が来た!と大喜びしてくださったのをよく覚えております。
それからはたびたび楽しいメールを頂いておりましたが……。
一年たつ頃に突然お電話があり、みーちゃんが元気がないから病院に連れていったところ、血液が造れないと言われとにかく今輸血が必要なのだけれど、血液が珍しい型だという事でもしかして兄弟なら出来るかもしれないというお話でしたので、あわてて他の里親さんへご連絡したのでした。
みーちゃんの兄弟といえば、あの久里浜のこじろう君だ!という事で事情をお話しましたら心よく承諾して下さり、次の日に朝イチで車をとばして渋谷の病院に来てくださったのでした。
だけど血液型はあいませんでした。 その次の日にみーちゃんは、すぅーっと眠るように逝ってしまったのでした。
五歳の娘さんが泣き通しに泣いているという事で、本当にこちらも言葉がつまり、弱い猫をお渡ししてしまって、悲しい思いをあんな小さな子にさせてしまって、本当にもうしわけないですと言う他ありませんでした。
それからしばらくして、お母さんからお電話を頂きました。
あのみーちゃんという猫は本当に優しい猫でした。 娘がお風呂に入る時には必ず一緒に入って毎回濡れてしまうのも気にしないようで、そのあと娘を寝かしつけてくれるのもあのみーちゃんがやってくれて、娘に手が掛からなくなっていたところでした。 死ぬという事がよく解らないようでしたが、みーちゃんは悲しんでいないよと言ったところ、娘は最近ではもうあまり泣かなくなりました。
みーちゃんはね、今はもう苦しくないんだよ。 美味しいものをいっぱい食べて、たくさんのお友達といると思うよ。
そうなの?
みーちゃんは淋しくないの?
あたしが淋しくても?
みーちゃんはもうお空に帰ったからね。向こうから見ていてくれるよ。 そうなの?……。 みーちゃんが淋しくないなら… それなら…
わたしそれでいい。 みーちゃんが淋しくないなら、がまんする。
こういう会話をした後にお手紙を書き始めて、毎日たくさん書いているというお話でした。
みーちゃん、楽しい想い出をありがとう
みーちゃんの四十九日がすぎた頃に、お母さんからお電話をいただきました。
また子猫を飼おうとみんなで話しています。
そういうお話でしたので、9月の井の頭公園での譲渡会にお誘い致しました。 その時は特例で、まずはお嬢さんに一番気に入った猫を選んでもらおうという話を通してありましたので、一番強そうな元気な子を選んでね!と言ったのでした。 雨振りの寒い譲渡会でした。
その時この子がいい!と決めた子猫さんがこのミューちゃんです。
みーちゃんのお墓参りにも2回行かれたそうで、今は新しいミューちゃんと楽しく過ごしているというお話でした。
それでも娘は毎日まだお手紙を書いているという事でした。
みーちゃん、楽しい想い出をありがとう!
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